「マネージとは、何をすることでしょう?」

マネジメント研修の導入部分で参加者に質問します。
「マネジメントって何かってことを考えたいのですが、まずはマネージャーから行きましょうか・・マネージャーってこれ日本語にすると何ですか?」と問いかけると「管理者です」と返ってきます。

マネージャー = 「管理者」

「では、マネージは?」と聞くと・・「管理です」と返ってきます。

マネージ = 「管理」

「では、”管理”って、何をすることですか?」・・・この辺りから答えがあいまいになってきます。

前にとある企業研修で「管理とは?」と聞いたら、
「やらせる・させる・守らせる」
という回答が返ってきたことがありました。

「やらされる、させられる、守らされる」側はちょっとイヤですね。私はそういう上司の下ではちょっと仕事をしたくないと思いました。

しかし、この手の回答、実は多いです。ただ、企業のカラーも出やすいのも確かですね。。。
管理とは何でしょうか???分からないときは辞書を引きます。

ーそのものがうまく保管されたりそのものの円滑な動きが保たれるように、いつも気をつけたりすること

(三省堂 新明解国語辞典)

他にも、
ーある規準などから外れないよう、全体を統制すること
ー事が円滑に運ぶよう、事務を処理し、設備などを保存維持していくこと
などなど・・・

ちなみに、ドラッカーは何と言っているかというと・・
-組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関

なるほど、深いですね。しかしまだ良く分からない・・・と思いつつ、色々調べていたらある言葉を目にしました。
それは「管理とは、良い状態を維持すること」

とありました。なるほど、これは分かりやすい。

全体を統制したり、保持維持するってつまりは「良い状態を維持する」ことだよなぁと。
なので私の研修では、「管理とは、良い状態を維持することです」とお伝えしています。
ただ、この”良い状態を維持する”って結構重たい言葉だと思います。

たとえば、何かのプロジェクトでそれが無事に終わって、当初計画していた売上利益が確保できて、お客様が喜んでくれた。・・最高な状態です。
けれども、メンバーが「この仕事のおかげで体調最悪だよ」とか「家族との時間もとれなかったな」とか「このチームとは2度と一緒に仕事したくない」とか・・・
挙句の果て「あのマネージャの顔は2度と見たくない」なんて言われてしまったら、それって「良い状態」なのでしょうか?

仮に上司からの評価だけしか気にならない、気にしないという人であれば「良くやった」と上司に言われるひと言で良いのかもしれませんが・・・

この「良い状態」って結構厳しいことだと思うんです(2回目)。
しかもこれを「維持」しなきゃいけないとなると、なおさらですね。
ドラッカーはこう言っています。

ほかの人をマネジメントできるなどということは証明されていない。
しかし、自らをマネジメントすることは常に可能である。               

「経営者の条件」ドラッカー

これも厳しい言葉ですね。
しかしこれは「原理原則」なのです。
部下を変えるには、どうしたらよいのか?

ということでお悩みの方も多いのではないでしょうか?

まずは、自分自身を「良い状態にすること」から始めてみてはいかがでしょうか?
その姿を見て「自分もああなりたいなぁ」と部下に思ってもらえたら、そこからがスタートだと思います。

何と言ってもマネジメントの最小単位は1人、「セルフマネジメント」ですから。
お仕事、健康、家族、友人関係、趣味、その他諸々。
良い状態を作っていきませんか。