前回のブログで、仕事・ビジネスにおけるコミュニケーションとは、「お互いのイメージを合わせる事」であるとお話しをしました。

この「お互いのイメージを合わせる」ということに意識を向けられるようになるまでに沢山の失敗を経験してきました。
その失敗があったから、この「イメージを合わせる事」ということに行きついたのであり、かつ「お互いのイメージを合わせるためには〇〇〇をする」という極めて当たり前のことさえ出来ていなかったことに気付けたのです。今思うととても恥ずかしいです。
そんな状況が改善されていくことで、コミュニケーションの質が向上し、お互いに安心安全な場がつくれていったのだと思うのです。

管理職になりたての頃、コミュニケーションは上司である私から一方的に部下に指示をするものでした。
「優秀な上司は適切な指示命令ができる人」というのが、その当時自分が思っていた上司像でした。
ですので、基本コミュニケーションは上司から部下に対して行うものであり、部下はそれをもとに作業をおこなうもの、といった感じです。
今ならパワハラと言われてもおかしくないですね。

しかし、これでは結果が出ないのでした。なかなか結果が出なくて、とても思い悩んだ時期もありました。
何が原因だったかというと「指示したものは部下がしっかり受け止めているはずだ」という思い込みです。
つまり「こんなことは当然わかっているよな。」「こんなことぐらい知ってて当然だよな」という思いというか願望が強かったのです。

結果、部下に対して「なんでこんなことも知らないんだ!」とか「こんなこと常識だろう!」なんてことを良く言っていたように思います。
今考えると情けないですし、出来の悪い上司でした。
しかし、当時はそれが正しいと思っていたので、なかなか変わることができませんでした。

前回、例え話として「東京駅丸の内口での待ち合わせ」のお話をしました。
東京駅の丸の内口なんて知らない人いるの?というご意見もありますが、そう思い込むことがそもそもお互いのイメージを合わせられない原因になってしまうのです。

東京駅をよく利用する人や、たまに利用する人であれば「丸の内口」といって分かるかもしれないですが、初めて東京に出てきた人にとって「丸の内口」といって分からない人がいてもおかしくないですね。
この程度のことは常識で知っているだろうとの思い込みが「イメージのズレ」を発生させてしまうのです。

では、どうすれば良いのでしょうか?

答えは凄く簡単です。それは「確認する」ということです。
お互いのイメージが合っているかどうかを確認するのです。

さて、その確認の方法ですが、これは色々あります。例えば、
・スマホで画像を見せる
・地図アプリで確認をする
といったところが最近ではお手軽なところでしょう。

しかし、もしスマホがなかったらどうしますか?
その時は、「イメージを伝える」という方法があります。

たとえば、先ほどの東京駅丸の内口であれば、
「レンガ造りの駅舎ね」「あ、レンガ造りなのですね」というお互いがイメージできる言葉を交換すること。
仮に一度も丸の内口に行ったことがなかったり、見たことがない人であっても「レンガ造り」ということでイメージは沸くと思います。 「当然知っているだろう・・」は危険です。

もちろん、本当にお互いにイメージが合っていればそれに越したことはないですね・・・