前回「リーダーシップとは?」というテーマでお話をさせていただきました。

リーダーシップとは、「リーダーの考え方、在り方、精神を持ち行動すること」
と定義いたしました(詳しくは【4】をご覧ください)。

さて、今回は「リーダーシップ」についてです。
そもそもリーダーシップとは何か?ということについてお話しして参ります。


「リーダーシップは誰が発揮するのか?」

次に考えたいのは、このリーダーシップを誰が発揮すればよいのか?といったことです。

若手の研修でこう問いかけます。「リーダーシップって誰が発揮すればいいんですか?」と。
すると多くの場合「リーダーです」との回答が返ってきます。新人から3年目くらいの若手で、この回答は本当に多いです。

5年生くらいになってくると、こんなことを言う人も出てきます。
「うちのチームってリーダーがリーダーシップ発揮してくれないから、ダメなんですよねぇ。。。」と。

そんな回答をしてくれた人に聴き返します。
「あなたは今のチームに対してどんなリーダーシップを発揮したの?」

するとキョトンとした顔をして「いやいや、僕リーダーじゃありませんから」という答えが返ってきます。

さて、リーダーシップって誰が発揮すべきものなのでしょう?
もう皆さんご承知の通り、リーダーシップは誰しもが発揮しなければならないものです。
特にリーダーやマネージャの皆さんは、部下がリーダーシップを発揮せず受け身でいることにイライラしている人も多いのではないでしょうか?

なぜ、リーダーシップは誰しもが発揮しなければいけないのか?

リーダーシップとは「リーダーの考え方、在り方、精神を持ち行動すること」でした。
リーダーシップは、考え方・在り方・精神といったものなので、であればこそ誰しもが発揮できるものなのです。

そうは言ってもなかなか若手には理解してもらえない。そうお嘆きの方も多いのではないでしょうか?
今回はサッカーを例にご説明方法をご紹介しようと思います。

ご承知の通り、サッカーは11名×2チームで試合を行います。
サッカーの目的は、相手方のゴールに1点でも多く得点し勝利を収める事。チームメンバー全員がこの認識をもっているからこそ、試合が成立するわけです。

さて、そんなところに新人が入ってきたとします。
もし、ここでこんな会話がされていたとするとどうでしょう・・・

新人「キャプテン、新人の●●です。よろしくお願いします」
キャプテン「うん、よろしく!活躍期待しているよ!」
新人「キャプテン、一つ訊いてもいいですか?僕、何したらいいですか」
キャプテン「いや何したらいいって、ピッチにたってるんだからさ、自分で判断して行動してよ!」
新人「いや、僕まだ新人ですよ。ここに立つの初めてですよ。教えて下さいよ」
キャプテン「いやいや、もうピッチに立っているんだからさ、自分で考えろよ」
新人「なんか不親切だな。監督、キャプテンが教えてくれないんですけど、僕どうしたらいいですか?」
監督「キャプテンの言う通りだろ!自分で考えなさい!」
新人「まったく、なんてチームなんだよ。僕は教えてもらってほめてもらうことで伸びるんですよ。もっと僕の事理解してくださいよ」

サッカーのピッチで、こんな会話はまずありえませんが、職場で考えてみてください。

キャプテンをリーダーに、監督を課長と言い換えてみるといかがでしょう。
実際に職場で起こりそうなシーンではないですか?
サッカーに話を戻します。

では、いつリーダーシップを発揮すればいいのか?
それは、ボールを持った時です。ボールをもった人が、まさにその瞬間リーダーになります。


リーダーとは先導者でした。つまりゴールに向かって周囲を導き行動する。リーダーとして行動をとるタイミングが、まさにボールをもった瞬間なのです。

ピッチに立っている以上、いつ自分にボールが廻ってくるかわかりません。一度自分にボールがきたらまさにその瞬間リーダーとしての行動を求められるわけです。

まず、リーダーシップ「リーダーの考え方、在り方、精神を持ち行動する」という覚悟をもってピッチに立つのです。

そして、いざ自分にボールが廻ってきたときにはリーダーとして行動をとる。これがリーダーシップの発揮の仕方です。

サッカーで言うピッチ、これを職場と置き換えてください。
つまり新人であろうと誰であろうとフィールドに立った以上リーダーシップを発揮しなければならないのです。

いかがでしょう。サッカーで例えると説明がしやすいのではないでしょうか。
なかなかリーダーシップを発揮してくれない部下を見つけたら、このたとえ話をなさってみてはいかがでしょう?