導入事例:マネジメント支援

医療法人臼井会 田野病院様(高知県安芸郡)

課題

導入の背景:組織の理念と未来への課題

高知県安芸郡に根差した田野病院様は、地域医療の中心として、法人理念である「共生」の実現を最重要視されていました。しかし、環境の変化が激しい時代において、「共生」という理念を組織全体で体現し、未来に向けて進化し続けるためには、いくつかの課題がありました。
特に、院長を含む経営幹部層には、新しい取り組みを進める上での考えや想いの共有、そして理念を実現するために欠かせない一人ひとりの「あり方」を再定義することが求められていました。また、日々の多忙さから、部門・職種・世代を超えたスタッフ間のコミュニケーションの質や、次世代を担うリーダーの育成にも課題感を持たれていたのです。

提案(実施)内容

伴走型コンサルティング:目指したのは「関係の質の深化」

この課題に対し、私たちは表面的な「研修」にとどまらず、組織の本質に深く関わる「コンサルティングに近い伴走型支援」をご提案しました。目指したのは、知識やテクニックの習得に留まらない、組織の血肉となるような「関係の質の深化」であると確信しています。

1.経営幹部研修:病院の「羅針盤」を創る
院長を含む経営幹部の皆様には、2日間にわたり、病院の「羅針盤」となるべき価値観を深く掘り下げていただきました。

プロの「あり方」の再確認:「プロとは、ステークホルダーの期待・ニーズに応えることで対価を得る人」という原点に立ち返り、ご参加者全員の意識統一を図りました。

「期待・ニーズ」の徹底的な洗い出し:病院を取り巻く全ての人々が「あなた達に期待を寄せていること」を出し合い、共通する想いを深く理解したと言えます。

組織文化の核となる価値観の創出:自己理解(ストレングス・ファインダー)や対話を通じて、組織の理念を実現するための土台となる、共通の新しい価値観として「関心、感謝、思いやり」を決定しました。これは、病院様がこれから先も大切に育んでいくべき、心の柱となります。

2. 管理者・若手研修:対話の力を育む
現場を動かす管理者、そして未来を担う若手の方々には、「職場のコミュニケーション」に特化した研修を実施いたしました。

傾聴と伝え方の実践:「聴く態度や仕草」や、「5W1H」「DESC法」などの具体的なスキルを体感的に習得いただきました。

ポジティブな風土づくり:業務の難しさに直面した際も、「難しい」ではなく「慣れていないだけ」と伝えるフィードバックの重要性を学び、前向きな行動を促す土壌を育みました。

導入後の成果

導入後の成果:組織に満ちる「関心、感謝、思いやり」
本研修を通じ、田野病院様では以下のような具体的な変化の兆しが生まれています。

経営の視点の一致:幹部層に「関心、感謝、思いやり」という確固たる共通認識が生まれたことで、組織の進むべき方向が明確になり、組織変革への力強い一歩を踏み出されています。

プロ意識と自律性の向上:全スタッフが「プロ意識」を再確認し、「期待・ニーズに応える」という視点を持ち始めたことで、自責ベースでの行動へと意識が変化しました。

温かい職場環境へ:対話のスキルが向上したことで、職員間のコミュニケーションがスムーズになり、スタッフ一人ひとりが「ここで働き続けたい」と心から願える、温かい職場環境の雰囲気が芽生え始めています。

三谷所感
今回、私は何かを教えるのではなく、皆様の内に秘めた熱い思いを引き出す「場づくり」に徹しました。
当初は「もう一歩踏み込んだ話ができない」という課題がありましたが、「在り方」について議論を深める中で、「関心・感謝・思いやり」という言葉が紡ぎ出された瞬間、場の空気が劇的に変わったのを鮮明に覚えています。 それは皆様の理念への覚悟が結実した瞬間でした。スキル以上に大切なこの「根っこ」の部分が共有された今、組織全体へさらに良い変化が広がっていくことを確信しています。

 

経営幹部研修を振り返ったインタビューの様子を、ブログにて公開しています。
「幹部研修の成果と組織変革への展望」